創造的な研究、独創性などがノーベル賞がニュースになると大体、叫ばれますね。いったい、創造性・独創性というのは、どういうことでしょうか?
・自由な発想
さて、自由な発想とはどういうことを言うのでしょうか?例えば、何について”自由”研究なのでしょうか?以下、ちょっと考えてみましょう。例えば、こういうことではないでしょうか?
・疑問、課題とその解決策
・実験の方法
・時間、場所、対象
・自然に関係なくても良い(世の中には社会科学という言葉もあります)
・自分自身のアイデアからも自由
・身近でいつも自分が感じているようなことがテーマになり得る。
さて、どうでしょう?ここまで自由だと、大分自由に考えることができますよね。逆に、どうやって考えたらいいか分からない。と感じる人も多いと思います。そういう人にこそ、このCPS創造的課題解決プログラムは重要です。
さて、実際に進めていく前に創造的な研究を進める上で大事なことを書いておきます。
・今までにも面白い発見をしてきた人はいる。
・大体変人扱いをされたりして、生きている間に認められなかった人も多い。
・これは、みんながみんな変なことをしましょうということではありません。
・でも、発想を広げる時だけは、変になってみてもいいのではないかと思います。
・もちろん、皆さんの中には批判的に考えることが得意な人もいるでしょう。「これってやる意味あるのかな?」「実験が成功しなかったらどうしよう」「他の人も考えたことあるんじゃないのかな?」
・こういう考えができることは大事なことですが、「それは後からいくらでもできます」。
さぁ、自分なりの疑問を解く自由研究に取り組んでみましょう。
さて、いろいろ調べてみて過去に同じような実験をした人もたくさんいたのではないかな?
ここで改めて、どうしたらあなたの疑問は解決できるのか考えてみましょう。方法は簡単です。
「できるだけたくさんアイデアを出す」
ということです。疑問を考えたときと同じく、実験方法もできるだけたくさんアイデアを出しましょう。できるだけ具体的に、質よりも量を追究すること。
さて、たくさんアイデアを出したところで、今度はそれをしぼっていく作業が必要ですね。
今度は、その実験で解きたい疑問と分かるはずの事を書き出してみましょう。
疑問:「 」
分かったこと:「 」
さて、これらは一致していますか?
最初に自分が決めた疑問と、分かるはずの事がずれていませんか?これが確かめられたら、いよいよ実験開始です。
さて、疑問が定まったら、自分と同じ疑問を持って、実験をした人はいないかを探してみましょう。
あなたの疑問を、インターネットで検索してみましょう。
ほとんどの場合、同じ疑問を考えた人を見つけることができるでしょう。ここで見つからないということは、ほぼないと思います。
そこで、見つかったらその人の実験のやり方を一通り読んで学びましょう。
ここは、非常に微妙な問題なのですが、あなたがもし誰かのやった実験を知らずに同じことをやっていたら、それは「コピー」になってしまいます。
「自分オリジナル」というのは、とっても難しい事です。ほとんど自分で考えたと思っていても、既に誰かが考えてやっているということばかりです。この場合、たとえあなたが自分自身で考えたとしても、結果としてはコピーと同じように扱われます。このことを、十分考慮の上で、自由研究にも取り組みましょう。
そこで、大事なことは、この段階で調べて見つかってきた自分と同じようなことをしている情報は、必ず「引用をしよう」ということになります。
引用の仕方については、また後日紹介します。
さて、疑問を言い換えてみることで、本当の問題を見つけようというステップがありましたが、本当の問題は見つかりましたか?できるだけ具体的な問題を見つけることが大事です。疑問や課題は大抵言葉づかいによって意味が違っていて、それが本当に知りたいことからズレていることが、本当の問題が見つからない原因です。
Howどうしたら事故を無くせるだろう?
What何が事故を起こしているのだろう?
Whyなぜ事故が起こるのだろう?
How→Whyの順に考えると、より本当の問題に近づくことができる場合があります。ですが、反対に答えるのも難しくなります。Howの段階では、いくらでも案を出すことができますが、WhatやWhyを考えたとき、ズレていることがあるのです。
そこで、この3つの段階を行ったり来たりしながら、答えの材料を探していく実験を計画していけるといいと思います。
この段階で「多分こうじゃないかな?」と予想を立てるのが面白いし、科学の醍醐味(だいごみ)でもあると思うので、ぜひ楽しんでくださいね。
「本当の問題を見つける」と言われて、??となる人も多いかもしれませんが、大体が問題を間違って設定していると、たどりつきたい答えに達するのが難しくなります。
そこで、私たちのCPSプログラムでは、この段階を「疑問を研ぎ澄ます」と呼んでいます。以下、具体的な段階を見てみましょう。
例えば「空はなぜ青いのか」という疑問を持ったとしましょう。何だか、詩人みたいですね。
ここでは「なぜ?」(Why?)という言葉で疑問を書いていますが、この疑問はあなたの疑問をはっきり示しているでしょうか?ちょっと言い換えてみると、その意味が違って聞こえてきます。
「何が」空を青くしているのか?
「どこから」空は青いのか?
「いつから」空は青いのか?
「いつ」空は青くなるのか?
「どうやって」空は青くなるのか?
「どれくらい」空は青いのか?
それぞれ意味がかなり違いますよね?あなたの本当の疑問はどれですか?書き出してみて、それに気づけるといいですね。もし、この中に本当の疑問がなかったら…やはり最初から考え直してみた方が良いかもしれませんね。焦ることはありません。
「それは本当の問題なのか」
自分は納得いっていても、時々問題がズレて設定されている場面をよく見ます。初めは気づかないのですが、実験をやっているうち、調べているうちに自分が本当に知りたいことは何か。問題の本当の原因は何かに気づくことがあります。
例えば、車の発明を考えてみましょう。世界で初めて交通事故にあった人は「ブレーキをつけよう」と思ったでしょう。ですが、ブレーキがあることで、事故は無くなったでしょうか?大体の交通事故ではブレーキを踏めないことで事故が起こります。→ブレーキがあっても事故はなくならない=本当の問題はブレーキがない事ではなかった(もちろんそれも問題だけど…)→ブレーキが必要な時に自動で踏まれる装置ができないか?
といった風に、本当の問題は隠れていることがありますね。あなたの研究の場合はどうでしょうか?
早速、進めていきましょう。
まず、第一にやりたいのは疑問や課題を見つけるということです。皆さんの中には、既に自由研究を進めてきて、自分は疑問を持ってやってきていると考えている人も多いと思います。しかし、これは大学で研究する研究者でも「毎回」取り組んでいることです。そのたびに「もっと知りたいことをはっきり示す疑問は何か」を考えています。あなたも、やってみることをお勧めします。
さて、ということで以下では初めて考えるあなたに向けて書いていきます。
1.普段から?と思っていること、もっとこうなったらいいなぁと思っていることはありませんか?それが疑問の種になります。
ない?…普段から疑問なんて考えて過ごしていませんよね。じゃあ、次のような言葉を、口に出してみましょう。
なぜ?○○は○○なの?
どうやって○○は○○するの?
どこで○○は○○になるの?
いつ○○はできたの(できるの)?
誰が○○を作ったの?
まずはこんな質問が友達にできるようになると、普段から疑問を考えることができるようになってきます。どうしても、疑問が見つからないなぁっていう人は、ちょっと寄り道して「疑問が見つからない人へ」のページも見てみよう。
疑問が見つかったよっていう人は、次の「本当の疑問を見つけよう」のページに進んでください。
あなたはどうして自由研究を始めようと思いましたか?
何か興味のあることがあったからでしょうか。
それとも、家族に勧められたからでしょうか?
それとも単に夏休みの宿題としてやらなければならないのでしょうか?
大体、自由研究と言うのは面白くありません。なぜなら、答えがわかっているから。ですので、自分が不思議に思っていること、答えのまだ分からないことの答えを出すためにやるものだという風にまずは、捉えましょう。(もし、単に宿題を終わらせたいだけであれば、このページは役に立ちません。どこかのサイトのまねをすればすぐにできますので、そちらへどうぞ)
「誰も知らない自分だけの何かを見つけたい」と思って、自由研究を進めていくことは、それなりに時間もかかりますが、やってみよう!という人は、このまま次に進んでください。
ここでは、創造的課題解決プログラムについて詳細を紹介していきます。以下のリンクで、実際にどんな活動をしたらよいか学べます。
1.なぜ自由研究か
2.疑問・課題を見つけよう
3.本当の問題を見つけよう
4.今回の研究で取り組む課題に絞ろう
5.自分と同じことを見つけた人はいないか探してみよう
6.実験の計画をしよう
以上のような流れで、自分だけの実験計画を立てていきます。
大学での実験では、どんなことを教えてもらえるのでしょう?例えば、こんなことです。
1.薬品はどのくらいの濃さで作ったらいいの?
2.水や薬品の量を測るにはどうしたらいいの?
3.顕微鏡で見た画像を写真に収めるにはどうしたらいいの?
4.ドライアイスを使うと、どうして物がぱりぱりになるの?
というような、実際の受講者の疑問を解く段階で、どうしても必要になる方法や、それに関連することで、必要なことだけは教えていきます。基本的には自分で考えることをここでも忘れていません。