このカテゴリーでは大学での実験について紹介していきます。
実験の様子
どんなことを教えてもらえるの?
大学での実験では、どんなことを教えてもらえるのでしょう?例えば、こんなことです。
1.薬品はどのくらいの濃さで作ったらいいの?
2.水や薬品の量を測るにはどうしたらいいの?
3.顕微鏡で見た画像を写真に収めるにはどうしたらいいの?
4.ドライアイスを使うと、どうして物がぱりぱりになるの?
というような、実際の受講者の疑問を解く段階で、どうしても必要になる方法や、それに関連することで、必要なことだけは教えていきます。基本的には自分で考えることをここでも忘れていません。
ここでは、自由研究サポートの補助や、キャンプ・ツアー等の各種イベントに利用したe-learningシステムでのやり取りを紹介します。具体的な内容については、以下のリンクをクリックして各ページでどんなやり取りが見られたのか等をご覧ください。
研究テーマの設定の仕方について
実験観察の進め方について
論文の書き方について
実験室利用の相談について
オンライン科学雑誌について
本プロジェクトでは、大学の実験室で実際に実験をしたいという受講者を受け入れる活動も行ってきました。ここでは、実際にどんな活動をしたのか、一例を紹介しましょう。
1.大学で実験をしたいという旨をe-learningまたはメールで大学側に知らせる。
↓
2.大学側からどんな実験をするのか、目的と方法をはっきりさせるよう返信
↓
3.受講者は目的と方法をまとめて大学側に再連絡
↓
4.大学でやるべき実験なのか、家や学校でもやれる実験なのかを判断し、大学側から返信。大学でやる実験の場合、より細かい実験方法のカウンセリング。
↓
5.実験方法を再度よく考えて提出。
↓
6.OKとなったところで、予定のセッティング。
↓
7.大学側と受講者の予定が合うところで、実験。
このようなやり取りを繰り返して、大学の様子や、実際に実験をする時の段取りを段階的に学んでいきます。
また、実際の実験では危険な薬品等、小中学生では扱えない部分は、大学側の指導者が手助けしますが、実際はできる限り自分の手で実験を行います。
この点も、未来の科学者育成には大事なポイントと考えています。お膳立てされた実験ではなく、自分の力で考え、実行できる人材に期待しています。
e-learningのシステムのなかでは、オンライン科学雑誌として、いくつか科学に関する事柄を紹介しました。具体的なテーマは以下のようなものでした。
地学分野とのつながり(生物編拡大版)
地学分野とのつながり(化学編)
地学分野とのつながり(物理編)
生物分野とのつながり
化学分野とのつながり
物理分野とその他の分野のつながり
中学・高校までの科学の分野分け
STEMって何だったの?
ひまわり8号の初画像
衛星でイオン液体電池の充放電に成功
腹ぺこ幼虫が満腹でサナギになる仕組み
タンパク質の反応は揺らぎが鍵だった
秋冬に向けて
科学賞に応募しよう
日本の植物絶滅速度は世界の2・3倍?
自由研究と学校の勉強について
地球で最多量の鉱物、命名
2050年に人間の脳はどうなっているのか
ちりの中で宇宙の巨大爆発あった
上に並べたものほど、新しいものですが、STEMとは何か。このあたりでも紹介していくようにしていました。
さて、本プロジェクトでは実際に静岡大学の実験室に来て、実験をする受講生のみなさんもいました。
例えば、以下のような場合に実験室を利用しに来ています。
・塩酸など危険な薬品を実験に利用したい。
・ドライアイスを用いて、チョウの卵の孵化を遅らせたい。
・デンプンがどんな形をしているのか見てみたい。
・ベネジクト液など、小学校の実験では使わない薬品を使って実験がしたい。
などです。実験の間も、指導者が適宜実験方法を指導します。
ここでは論文の書き方について、実際に指導者も一緒に自由研究をしているようなつもりになって、文章を書いていきました。
これによって
・論文の構成
・どの章に何を書いたら良いのか
・結果の示し方
・考察の書き方
などを学んでいくことになりました。より具体的な書き方の修正などは、e-learningを利用したり、メールでのファイルのやり取りをすることで、変えていきました。
このページでは、「○○な結果になったのですが、どうしたらいいですか」という質問が多かったように思います。
ここが実は自由研究の醍醐味で、なかなか学校では体験できない経験ですね。
本物の科学者も、同じように何度も失敗しながら、時には予想もしていなかったような結果になった時に、どうやってまとめたらよいか、いろいろと考えます。
実は、この部分が本当に科学を学んでいる瞬間と言えるのではないかと、わたしたちは考えています。
そんな瞬間が、楽しめる場がプロジェクトを通じて出来上がっていくことを期待しています。
平成26年度の受講者のほとんどは、自分で自由研究のためにやりたいアイデアを持っていましたが、実際考えていることと、文字に書き起こしてみることでは、ちょっと違います。
文字になって目に入ることで、「これって本当に自分がやりたいことが書けている?」って考えることができます。
実際のSTEM科学教室で、他の受講者のみんなと考えたことを、もう一度指導者と話し合うために、e-learningが使われました。
STEMキャンプにおいては、普段のSTEM教室よりも「答えのない問題」に取り組みました。井川では「どうしたら自然と共存していけるのか」というような、大きめの問題です。一方で、STEMの活動の中で取り組んできた工学的な活動というのは、比較的具体的な解決策がある程度決まっている「課題」を解くためのものでした。
STEMは、大きな問題を解いていくための解決策を導き出すことができるでしょうか?
今回のキャンプでは、問題意識を持ってもらうという点に、特に着目し、会場である井川少年自然の家にたどりつくまでに、いくつかの体験活動を設けました。
水生生物調査・ダム見学・砂金採り・アマゴの解剖などを行う中で、問題意識を感じてもらう事。
そして、残り二日間の活動の中で、その解決策を考えていってもらう事。答えが出ることよりもその過程で考えることを大切にしたいと考えていました。